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採用力15倍UPの自社リブランディング! タレントブランディング活用戦略と抜本的な組織改革【導入事例/松本興産株式会社】

2023.7.23 / 導入事例

「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」へ2021年1月13日第3期より参画いただいている、松本興産株式会社の取締役 松本 めぐみさんに参画にあたって期待することと、参画後の効果についてインタビューいたしました。

松本興産株式会社

1998年に自動車業界に参入し、20年で年商5億から45億に成長しました。その背景には、新市場と新技術を追い求める挑戦が土台にございます。最新・高性能CNC旋盤を大量設備し、高度加工を実現するオリジナル切削工具の内製化。最新機能を使いこなす高機能オペレーターの継続育成が、ものづくりの基盤を支えております。

当社は、チャレンジすることを辞めず、「加工改革の先駆者」として、緑豊かで愛溢れる秩父市から後世へと日本を代表する技術を継承していきます

取材協力者 松本めぐみさん

Star Compass株式会社 代表取締役
松本興産株式会社 取締役
・福岡生まれ
・国立北九州高専卒業
・19歳でカナダに1年留学
・米半導体装置メーカーでプロセスエンジニアとして5年
・脱サラして、スイスへMBA留学
・帰国後は外資系ホテル勤務
・松本興産にて取締役として経理、総務、人事を担う。松本興産(グループで45億円、280名)
・風船会計メソッド考案。2023年3月に幻冬舎より出版
・培った経営メソッドを世に広める為、Star Compass(株)を11月設立し、新興公社、都内、学校でセミナー活動をしている
・2023年より情報経営イノベーション専門職大学の客員教授として学生達に風船会計を教える
https://www.i-u.ac.jp/people/16504/

−−プロジェクト参画前に抱えていた課題と期待値

当社の課題としては、製造業という汚い・キツイ・危険の3Kかつ秩父という田舎であったため「採用活動」において苦戦しておりました。また応募者が少ないため、宣伝・採用費用を投下するものの短期離職となってしまい慢性的な人材不足と採用コストの高騰化という負のスパイラルに悩まされていました。
そこで「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」と出会い、製造業における男性社会のイメージを払拭し、居心地の良い雰囲気を伝えていくために、プロジェクト参画へ決めました。

−−どのような戦略でプロジェクトの効果を最大化させたか?

STEP1 チーム発足

プロジェクトを活用するために、部署を跨いだ6-7名にてチームを発足しました。当社では広報部やクリエイティブ制作専任者がいないため、経理や総務部などのメンバーから役割やスキマ時間を活用し、多くの案やクリエイティブを制作することができました。
編成の中で人数が多い理由としては、多くの意見を議論し、責任やプレッシャーを分散させ楽しく進めていくことが、何より大切だと思ったからです。
とはいえ、本来の目的や目標を見失わないような管理や時間を設けることが、続けるためのポイントです。

STEP 2 採用ターゲットの明確化・選定

抱えていた課題も含めて、これから育っていく若手(18-25歳)をターゲットにしました。
ターゲットが明確になったのちに、若手層が仕事や職場にどのようなことを求めているのか、何が入社動機になるのかを調べ、戦略を立て採用活動を進めていきました。

STEP 3 出稿媒体

当社ではオンラインよりもオフライン広告の活用を行っております。埼玉県秩父市にある会社ですので、地域の人に知っていただき、興味関心を持っていただくにはラッピングバスや看板へ公式アンバサダーを起用させていただき、地域の皆様がよく利用する公共施設にタッチポイントを置きました。
また広告・ポスタークリエイティブも頻繁に変えており、例えば駅のポスターなどは季節によってポスターの差し替えを行っております。

STEP 4 採用広報の強化

タレント起用をきっかけに、自社でできる取り組みについてチームメンバーでディスカッションし、若手層をターゲットにしたことより親和性の高いInstagramアカウントとYoutubeチャンネルの開設と運用も並走させました。
全国の若手層に対して認知を獲得するだけではなく、オフライン広告にて当社を知っていただいた方に対して、製造業のイメージ払拭や当社を理解していただける情報発信のプラットホームとして運用しております。
最近では新しくTikTokの運用も開始し、オフラインとオンラインのハイブリット型採用を強化させております。

公式Instagram:https://www.instagram.com/mkk_matsumoto/
公式Youtube:https://www.youtube.com/@mkkjoy3086
公式TikTok:https://www.tiktok.com/@mkk_matsumoto

STEP 5 調和型の組織編成

当社では、ステレオタイプであるピラミッド型組織ではなく、調和型・サークル型組織作りを行なっており、全従業員が個性を出せる企業であることを目指しております。
そのためやる気さえあれば若手へも裁量を渡しており、経営の土俵に立てるようやり方や考え方を教えています。そのうちの一つに、私が考案した世界で一番分かりやすい会計の読み解き方「風船会計メソッド」などを教授しております。
会計は経営者や経営視点を持つ上で必要スキルとなりますが、非常にとっつきにくい分野でもあります。数字が苦手な人でも理解ができるよう会計をビジュアル化することで、若手でも経営視点を養えます。
現在では、このノウハウを外部の人でも学べるセミナーや、2023年5月に幻冬舎より「風船会計メソッド」の書籍を出版させていただきました。
https://gentosha-go.com/category/g1001_1

−−1年参画してみた効果

参画以前は年間12名入社でしたが、参画後では年間80名の採用に繋がり、業界の平均年齢が43.5歳前後のところ、当社では製造部平均年齢30歳と若手が活躍する会社と変貌しました。
またプロジェクト運用チームを筆頭に、日本中小企業大賞などのイベントへ積極参加することで、社内により活気が生まれるようになりました。

−−今後の展望

海外では、日本と異なりクラフトマンシップという考えが浸透してます。技術を持つ中小企業と製品を開発するメーカー等が対等であるという考え方です。近年、海外より日本の中小企業や技術について、注目され始めてきました。実際に当社でも先日Newsweekの方に、日本の中小企業として取材いただきました。
私たちの会社はクラフトマンシップを大切にし第一人者を目指していくことと同時に、日本内の製造業にとってクラフトマンシップが当たり前の価値観となる世界を目指していきたいです。

−−最後に

先述した通り、日本の中小企業や技術が世界的に注目され始めてきていますが、大企業に比べ海外へ挑戦するためのリソースや情報などのインフラが弱いです。
政策やネットワークを駆使し、中小企業同士が協力し合い、新たなフィールドへ挑戦していきたいと思っています。
「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」は挑戦する企業の後押しだけではなく、同志と繋がり高め合えるそんなプロジェクトになっておりますので、多くの中小企業で日本経済を変えるきっかけにしていきたいです。

取材協力企業

松本興産株式会社
所在地:埼玉県秩父郡小鹿野町下小鹿野247-1
代表者:代表取締役社長 松本 直樹
資本金:9,800万円
​ホームページ:http://mkknc.co.jp/
事業内容:CNC複合旋盤による精密切削加工