タレント起用したのに広告効果が出ない!?根本的に考えるべきブランディング戦略
企業ブランディングやサービスの差異化を図るために、プロモーションに注力する企業が増えてきています。
第4次産業となった現代において、大量生産・大量消費という従来のビジネススタイルとは異なり、超スマート社会に向けたIT化やDX化を図るサービスが台頭してきました。
サービスや市場が増えていく中で、競合他社との違いや訴求点の弱さより、サービス導入に選ばれないや集客に課題を感じる企業も多いでしょう。
最近、差別化や広告の視認性向上を目的とした、タレントサブスク・タレントシェアリングサービスとなるものが増加してきました。今回はタレント起用した広告で効果が必ずしも出るわけではない点を留意した上で、どのような戦略が必要かをお伝えしてまいります。
タレントサブスクとは?
タレントサブスク(タレントシェアリングサービス)とは、著名人の肖像利用を複数企業で行い、通常契約よりも価格を押さえて自社の広告塔として起用できるサービスです。
フリー素材に比べ認知度のある著名人や業界イメージと親和性のある人を起用することによって、権威性を持たせることができるとして、現在では数社が本サービスの提供を行っております。
各社によって著名人が異なるため、自社サービスにフィットする人や最も知名度の高いタレント起用することで、自社の認知やサービス認知、ブランディングなどを加速させることができます。
タレントを起用しても思う効果が出ない原因
有名人やタレント、著名人を、企業やサービスの広告塔として使用することで、認知度や広告効果が爆速で伸びるのではないか?とお思いの方は多くいらっしゃると思います。
特に日本と韓国では、CMをはじめとするマス広告でのタレント起用率は、他国よりも群を抜いていると言われており、昔より根付いた価値観でもあると思います。
にも関わらず効果を感じられないというケースをご紹介してまいります。
サービスとタレントイメージの乖離
1つ目は、サービスや業界とタレントイメージの乖離です。
有名タレントを起用する上で、基本は競合他社とのダブルブッキングが起きないようになっていますが、有名企業のテレビCMなどインパクトが強い広告に起用されていたり、出演時のキャラクターによっては、サービスと乖離してしまい自社サービスと紐付いて認知を獲得することが難しいです。
とはいえ業界イメージがネガティブがゆえのバイアスなどがある場合、イメージの良いタレント・有名人・著名人を起用することによって、差別化をすることは可能です。
伝えたいメッセージやサービスイメージに紐付くような、タレント起用が大切です。
点での活用
マス広告・Web広告問わず、クリエイティブに点で使用しているケースです。
特にWeb広告に起用し、遷移先のLPやHPなどに起用しない場合に離脱率が高まりCVRが落ちるといった課題があります。このような場合、とにかく広告効果(CTR)へ着目しすぎており、導線設計やUI/UX面においてユーザー視点を見落としている可能性があります。
LP内での課題定義や活用メリットなどのストーリー設計や、サービスのイメージカラーそして広告クリエティブ同様に、タレント起用し重要な点で後押しできているのかを確認する必要があります。
また運営元に対して調べる場合も想定し、自社サイトのトップなどにも起用することで、統一感が出ます。
そうすることで企業イメージやサービスイメージと紐付けすることができます。
広告の効果検証
既存の広告クリエイティブにタレントを起用することによって、爆発的に効果が出る飛び道具となると思いクリエティブのPDCAを回してないケースです。
バナーデザインの良し悪しはユーザーのアクションによって異なります。そのためABテストを繰り返しながら、最適化を図る必要があります。
タレントの雰囲気、衣装によって、フィットするカラーやフォント、訴求などを変えていくことで、何が一番ユーザーに伝わりやすいのかがわかるようになります。
しかし「タレント起用=効果が出る」という方程式のバイアスがある場合、広告クリエティブに対しての改善が弱くなる傾向があります。
実際、有名企業も年間400クリエティブほど作成し、効果測定を行い最適化を行います。また事業やサービスの認知度に応じて、変化させる必要があります。
単にタレント起用するだけではなく、クリエティブのABテストやLPのABテストは必須です。
ブランディングの方向性が統一されていない
広告施策以前に、ブランディングやサービスの特色などを言語化し統一できないケースです。
例えば広告クリエイティブ、サービスページ、LPによって訴求文言が異なっていたり、ブランドのイメージカラーやロゴのカラーが異なっているなどの統一化が図れていない状況です。
やはりサービスを提供する上で、包括的に多くのユーザーに訴求できる方が好ましく思いますが、選ばれるサービスには実績だけでなく、企業ブランドやファン層を獲得することも大切です。
そのためにはブランドストーリーや理念・サービスコンセプトなども設計した上で、広告クリエイティブやサイトの制作が必要です。
クリエイティブにおける原因
先述した内容は、タレント起用以前とタレント起用後についてご紹介いたしました。
本章では、クリエイティブにおける原因についてご紹介してまいります。
視認性の低いクリエイティブ
タレントを起用する上で、タレントの視認性が高い方が基本的には良いです。
クリエイティブ内で、全身の肖像素材を活用したり、クリエイティブ全体に比べて比率がかなり下がっているケースは、ぱっと見でのインパクトが弱まるため、クリック率向上に繋がりづらいです。
できるだけ、一目で誰が掲載されている広告かを意識して作成する方が好ましいです。
出稿媒体の選定
クリエイティブもですが、出稿媒体の選定が誤っており、広告の効果を感じられない場合もあります。
タレント起用したサイトを作成したとしても、リスティング広告のみに出稿となると文字のため、直接的な効果を感じることは難しいでしょう。
またディスプレイ広告、バナー広告、SNS広告によってユーザーが異なるため、自社の顧客となり得る媒体選定を行わないと、タレント起用で効果アップしたとしても、顧客化やLTV向上を狙いづらいです。
広告に対して不快感を得る層も一定数いるため、ユーザーがストレスを感じづらい媒体への出稿の方がタレント起用するにしても、効果が出やすいポイントです。
衣装やイメージと合わないカラーリング
細かなデザイン案になりますが、タレントイメージやサービスイメージのカラーはとても重要です。
明るいキャラクターで知名度を獲得しているタレントのクリエイティブに暗いカラーを使用したり、衣装とは合わないカラー選択をすると、情報を受け取る際に障害を感じます。
受け入れやすい、見やすいをモットーにし、違和感を減らすことも効果アップのための施策と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?「タレント起用=爆発的な効果」とはいきません。冒頭でもお伝えしたように、日本の広告界では有名タレントを起用することがポピュラーのため、各社の努力や工夫が必要です。
有名企業のサービスとタレント名が密接となり、世間に定着しているのは単に広告代理店による、脚本力やPR力、ブランディング設計によるものです。
とはいえWeb広告は中小企業・ベンチャー企業でも、しっかりユーザーへ訴求ができるプラットフォームです。
ブランディング戦略を組み立て、うまく差別化・差異化を図ることが、事業成長の鍵になります。
タレント起用を検討するのもいいかもしれませんね。